ユーロ/円相場は、107円台前半まで値位置を切り上げる展開に。対ドルでは円売り圧力が一服しているが、ユーロ/円市場ではユーロ買い圧力も強くなっていることで、ユーロ高・円安の動きが継続している。4月23日以来の高値を更新している。
ギリシャ政府は3日、100億ユーロを投じて今年発行した同国国債を買い戻す提案を行った。買い戻し最高価格は平均で額面の34.1%とされており、これに国債を保有する投資家が応じるのかは不透明感も残る。ただ、実際に買取が実現すれば、国際的な救済支援を受けるための鍵となる債務圧縮の動きが加速することを意味するため、欧州債務問題に対しては協力なポジティブ材料になり得る。ユーロ圏財務相会合では、債務を国内総生産(GDP)比で2020年までに124%とすることを合意しており、国際通貨基金(IMF)の支援条件も債務のGDP比目標達成が条件となっている。今回の買い戻し案が実現すれば、債務のGDP比は11%低下すると予測され、ユーロの下落リスクは引き続き限定されよう。
6日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されるが、債務問題が小康状態を迎えているため、追加緩和策は見送られる見通し。ユーロ実体経済に関してネガティブな発言が出てくるとユーロに対する調整圧力として機能する可能性もある。ただ、日本の衆院選挙までは円の上昇余地は限定され易く、ユーロ/円相場の押し目買い基調に修正を迫るのは難しいだろう。
今後1週間の予想レンジは、105.75~108.50円。